本の虫は恋煩う。



 今は2年間くらい不動で親戚の一人に養ってもらってはいるけれど、その人は殆ど帰ってこない。
 帰って来るとしても、半年に一度程度。
 ちゃんと1ヶ月置きにまとまったお金を多めに渡されるけど、家事も全部自分でやらないといけないから大変。

 私はまだ中学生ぞ?社会人じゃないよ?

 私の三者面談とかには一応来てくれるけど、直接話すことはないし、多分嫌われてるんじゃないかと判断している。

 今じゃもう笑い話だけれど、これだけで既に人には早々話せない重い話だよね。

 しかし残念なことに私の不幸はまだまだ先がある。
 え?この先なんてあってたまるか、って?
 それは奇遇だね、私も同じ考えだよ。

『…あ、味噌切らしちゃった』

 昼食を作っていたら、ちょうど味噌がなくなった。
 鰹出汁(かつおだし)のこだわり味噌汁はとても美味しい。
 空になったプラスチック容器をゴミ箱にいれる。
 うーん、味噌がないと和風な味付けに困るんだよね。
 気は進まないけれど、ご飯食べたら買いに行くか。



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