ひとりぼっち歌姫とヘッドフォンの彼
◇
家に帰ってきた私は急いで暗い部屋の電気をつけた。
リビングのテーブルには【遅くなります】というメモと、千円札が置かれている。
私は、この狭いボロアパートでお母さんと二人暮らしをしている。
お母さんの仕事は帰りが遅い日が多い。
いつもならこの千円を使って近所のスーパーで惣菜を買って済ませるけど、今日はごはんなんか食べてる場合じゃない。
お母さんが遅い日の帰りは22時頃で、今は17時45分。
うん、お風呂や片付けの時間を考えても三時間は練習できそう…!
私はさっそくギターを取り出してクタクタの座布団に座り、今日教えてもらった曲を練習し始める。
近所の人に聞かれては困るから、指で押さえるところを確認するだけで音は鳴らさない。
「D#7-5…? え、こんなところ指届かない…F#m9…?」
うぅ……やっぱり難しいよ篠井くん……!
家に帰ってきた私は急いで暗い部屋の電気をつけた。
リビングのテーブルには【遅くなります】というメモと、千円札が置かれている。
私は、この狭いボロアパートでお母さんと二人暮らしをしている。
お母さんの仕事は帰りが遅い日が多い。
いつもならこの千円を使って近所のスーパーで惣菜を買って済ませるけど、今日はごはんなんか食べてる場合じゃない。
お母さんが遅い日の帰りは22時頃で、今は17時45分。
うん、お風呂や片付けの時間を考えても三時間は練習できそう…!
私はさっそくギターを取り出してクタクタの座布団に座り、今日教えてもらった曲を練習し始める。
近所の人に聞かれては困るから、指で押さえるところを確認するだけで音は鳴らさない。
「D#7-5…? え、こんなところ指届かない…F#m9…?」
うぅ……やっぱり難しいよ篠井くん……!