ひとりぼっち歌姫とヘッドフォンの彼
私の隣に立った篠井くんに、幹部たちが目を丸くする。
「な……っ、篠井奏太……!?」
「やば!私ファンなんだけど!」
沸き立つ軽音部の幹部たちの真ん中で、部長だけはじっと篠井くんを見据えている。
「……久しぶりだね。篠井くん」
そのただならぬ空気に釣られて、幹部たちが押し黙った。
「三年前の全小以来かな。僕は今でもあのときの結果を認めてないんだ。あれは完全に個人の人気票でー……」
「すいません」
篠井くんが口を挟んだ。
「誰でしたっけ」
部長のこめかみがヒクついて、場の空気が凍りついた。
「な……っ、篠井奏太……!?」
「やば!私ファンなんだけど!」
沸き立つ軽音部の幹部たちの真ん中で、部長だけはじっと篠井くんを見据えている。
「……久しぶりだね。篠井くん」
そのただならぬ空気に釣られて、幹部たちが押し黙った。
「三年前の全小以来かな。僕は今でもあのときの結果を認めてないんだ。あれは完全に個人の人気票でー……」
「すいません」
篠井くんが口を挟んだ。
「誰でしたっけ」
部長のこめかみがヒクついて、場の空気が凍りついた。