ひとりぼっち歌姫とヘッドフォンの彼
「俺の夢は、世界中に俺の音楽を届けること。お前は?」
「え……?」
「なんかあんだろ。小さい頃の夢でもいい」
大きくなったら何になりたい?って幼稚園の先生に聞かれたらいつも口にしていた夢がある。小さい頃なら素敵な夢ねって言われる夢。今言ったら、現実を見なさいって怒られそうな夢。
「…………歌姫」
篠井くんがニッと口角をあげた。
「いいじゃん。なれよ、歌姫」
ザァ、と風が吹いて、世界が変わる音がした。
「お前はいつか日本で一番でかいステージに立って、チケットは秒殺、世界中からファンが駆けつける伝説の歌姫になる」
篠井くんの目は、どこまでも本気だ。
「あんなちっちぇーステージでの失敗の一つや二つ気にすんな。いつかそんなこともあったってインタビューのネタにすればいい」
自信たっぷりに口角をあげる篠井くんに、肌があわだった。 信じられないくらい胸が震えた。
「俺が連れてってやるよ。でっかいステージ」
「え……?」
「なんかあんだろ。小さい頃の夢でもいい」
大きくなったら何になりたい?って幼稚園の先生に聞かれたらいつも口にしていた夢がある。小さい頃なら素敵な夢ねって言われる夢。今言ったら、現実を見なさいって怒られそうな夢。
「…………歌姫」
篠井くんがニッと口角をあげた。
「いいじゃん。なれよ、歌姫」
ザァ、と風が吹いて、世界が変わる音がした。
「お前はいつか日本で一番でかいステージに立って、チケットは秒殺、世界中からファンが駆けつける伝説の歌姫になる」
篠井くんの目は、どこまでも本気だ。
「あんなちっちぇーステージでの失敗の一つや二つ気にすんな。いつかそんなこともあったってインタビューのネタにすればいい」
自信たっぷりに口角をあげる篠井くんに、肌があわだった。 信じられないくらい胸が震えた。
「俺が連れてってやるよ。でっかいステージ」