人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

「サクラ、すまない。自由に使ってくれ」

「はい。失礼します」

イヴァンが顔を赤くしたまま言うと、サクラは顔色一つ変えずに立ち上がり、部屋を出て行く。扉が閉まった後、イヴァンは息を吐く。

「ヴァイオレット、僕は最近少し変なのかもしれない。あんなにジロジロ君を見てしまった。不快にさせてしまったなら、すまない」

「いえ！私、不快だなんて一ミリも思っていません！むしろ逆で……」

ヴァイオレットはすぐにイヴァンの言葉に首を横に振り、否定する。イヴァンに見つめられている間、ヴァイオレットの心はただ温かく、優しく音を立てていた。その時の気持ちをヴァイオレットが思い出しながら言うと、イヴァンがキョトンとした顔をする。

「逆？逆ってことは……」

イヴァンの頰が赤く染まっていく。ヴァイオレットも恥ずかしさが込み上げ、真っ赤な顔をしたまま俯いてしまう。

「ヴァイオレット、ありがとう。その気持ちがとても嬉しい。君のために何もしれあげられなくて、申し訳ない」