人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「あたし、もう寝るけど、遅くまで読書しないでよ。また起きないあんたを起こすのはやだからね」

ヴァイオレットが本を開こうとすると、寝転がっているミモザが横から釘を指す。彼女のつり目はジッとヴァイオレットを見ている。

「わかってるわ。今日は起こしてくれてありがとう。明日は絶対に遅くならないようにするから」

「本当〜?」

ミモザが「怪しい。信じられない」と言いたげな目を向ける。ヴァイオレットは「本当よ!」と強く言う。数十秒見つめ合った後、ミモザは「フフッ」と声を出して笑う。

「そんなに言うなら、ヴァイオレットを信じる!おやすみ!」

「おやすみなさい、ミモザ」

ヴァイオレットも笑みを返し、今度こそ本を開こうとした。その時である。

「ヴァイオレット・カッシング!今すぐに着替えてご主人様のいる応接室に行きなさい!」

ノックもなしに部屋のドアが開き、メイド長であるアザミ・スチュアートが慌てた様子で言う。突然の呼び出しにヴァイオレットは戸惑った。
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