人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「ず、ずるいです……!」

顔を真っ赤にさせながら、ヴァイオレットは言う。本当は言いたいことはたくさんあったのだが、それしか口にすることができなかった。



ドレスが届いてから数日後、ついに夜会の日がやって来た。ヴァイオレットは緊張しながら自室に篭り、アイリスに手伝ってもらいながら準備を進めていく。

「わぁ、めちゃくちゃ綺麗!」

箱からドレスを取り出したアイリスは笑みを浮かべる。ドレスを目にしたヴァイオレットも、「すごく綺麗……」と呟いていた。

イヴァンが用意してくれたドレスは、淡い青色のプリンセスラインのものだった。袖はチュールでできたパフスリーブがどこか上品であり、ドレス全体にスパンコールが使われているため、照明に当たるとスパンコールが煌めき、まるで魔法にかけられたかのように美しい。

(似てる……すごく似てるわ……)

ヴァイオレットはドレスにそっと触れる。レースがたくさん使われているドレスはとても柔らかく、着心地も良さそうだ。

「こんな私に、こんな素敵なドレスを用意してくださったなんて……」

ポツリと呟いたヴァイオレットに対し、アイリスは「こんな、なんて言っちゃダメでしょ?」とヴァイオレットの頰を軽く摘む。

「今のあんた、最高に輝いてるんだからさ!」
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