人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
準備していこう、そう言ったアイリスにヴァイオレットは「ありがとう」と呟くように言った。

淡い青色のドレスに着替えた後、アイリスが髪をセットし、メイクを施していく。仕上げに「首元がちょっと寂しいから」と黒いチョーカーがヴァイオレットの白く華奢な首につけられた。

「よし!完璧!」

「アイリス、ありがとう」

「イヴァン様もきっと惚れ直すと思う」

「そんなことないわよ。偽りの妻なんだから」

ヴァイオレットが笑いながらそう言うと、アイリスは何か言いたげな顔をしながら口を閉ざす。そのまま二人は広間へと移動した。広間ではすでに燕尾服を着て準備を終えたイヴァンが待っており、着替えたヴァイオレットを見て立ち上がる。

「イヴァン様、お待たせしました」

「構わないよ。ヴァイオレット、よく似合ってる」

そう言い微笑むイヴァンの髪はセットされ、新品かと思うほど綺麗な燕尾服を身に纏っている。イヴァンのフォーマルな格好を見るのは結婚式の時以来で、ヴァイオレットはジッとイヴァンを見つめてしまう。
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