人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「そんなに見られると照れてしまうなぁ」

イヴァンが頰をかきながら言い、ヴァイオレットは「すみません、つい」と顔を赤くしながら謝る。しかし、ヴァイオレットの紫の瞳は何故かイヴァンをチラリと見上げてしまう。

「お二人とも、そろそろ出発しないと間に合いませんよ」

「そうだね。そろそろ行くよ」

リオンに声をかけられ、ヴァイオレットとイヴァンは屋敷の外へと向かう。リオンとアイリスに「行ってらっしゃいませ」と見送られた後、ヴァイオレットがイヴァンに手を引かれながら外に出ると、外には四頭の白い馬がいた。ーーー否、ただの馬ではない。

「イヴァン様、この馬はもしかしてペガサスですか?」

ヴァイオレットが馬を見つめながら言うと、イヴァンは「正解」と微笑む。目の前にいる馬たちは、その背中にまるで天使のような翼が生えていた。

「よくペガサスだとわかったね。見たことがあった?」

「いえ、初めて見ます。本では目にしたことがあるのですが」

ペガサスは話をするヴァイオレットとイヴァンをジッと見つめている。しかし、何故ここにペガサスがいるのかヴァイオレットにはわからなかった。その疑問をイヴァンに問いかける。
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