人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「オリビア・オックスフォード嬢」

「パンジー・ウィリアムズ嬢」

「クイン・モンステラ嬢」

「ルビー・ブッドレア嬢」

名前を呼ばれていないご令嬢はあと数人しかおらず、まだ名前を呼ばれていないご令嬢たちが「私が選ばれるの!?」と顔を見合わせている。ヴァイオレットは魔法家系はランカスター家とブルースター家しか知らないものの、どのご令嬢も美しいことだけはわかった。

(フェリシアーノ様、一体どのお方を選ばれるのかしら?)

ヴァイオレット、そしてイヴァンたちの胸に緊張が走る。そんな中、大臣が名前を読み上げた。

「サクラ・スエミヤ嬢」

呼ばれた名前に、ヴァイオレットたちはもちろん、呼ばれた本人も戸惑いの色をその顔に魅せている。

「どうして私の名前が?私が夜会に出席することが決定したのは夜会が開かれる数日前で、私には招待状はないのに……」

サクラが顔を真っ青にしていると、大臣がもう一度サクラの名前を呼ぶ。オリバーがサクラの背中に軽く触れた。

「行って来い。お前が行かないと、残りのご令嬢は全員名前を呼ばれないぞ」

「いいのでしょうか?私、私は、フェリシアーノの側近で……」
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