人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
不安そうな顔を見せるサクラに、ヴァイオレットは「自身を待って行ってください」と声をかける。
「サクラ様はお強く、美しく、完璧な淑女です。名前を呼ばれることは不自然なことではありません」
「フェリシアーノがドレスを贈ったんだ。名前を呼ばれないのはおかしいだろう。胸を張れ」
イヴァンもサクラに声をかけ、サクラはまだ戸惑いつつも自分が行かないと迷惑がかかるとは理解していたようで、「わかりました」と言いカーペットの上に立って歩いて行く。
すると、サクラがカーテシーをする前にフェリシアーノは「待ってました」と言わんばかりに玉座から立ち上がり、サクラの方に歩き出す。その時に見せたフェリシアーノの顔に、ヴァイオレットは先ほどと違うことにすぐに気付いた。
歩いて来るサクラを見た時のフェリシアーノは、花が咲いたような満面の笑顔になっていた。先ほどの貼り付けていたような優しい笑みとは全く違う。心からの喜びが溢れている。
フェリシアーノはサクラの手を取り、その手の甲に口付ける。すると、ホールの隅にいた音楽隊たちが演奏をし始めた。王子が相手を選ぶとワルツが始まるーーー予定だった。
「おかしいじゃないですか!!」
大声が響いた。その大声に楽器の音がピタリと止み、誰もが声を上げた人物に目を向ける。そこにいたのはイザベルだった。彼女は大股でフェリシアーノとサクラの元へと歩いて行く。
「サクラ様はお強く、美しく、完璧な淑女です。名前を呼ばれることは不自然なことではありません」
「フェリシアーノがドレスを贈ったんだ。名前を呼ばれないのはおかしいだろう。胸を張れ」
イヴァンもサクラに声をかけ、サクラはまだ戸惑いつつも自分が行かないと迷惑がかかるとは理解していたようで、「わかりました」と言いカーペットの上に立って歩いて行く。
すると、サクラがカーテシーをする前にフェリシアーノは「待ってました」と言わんばかりに玉座から立ち上がり、サクラの方に歩き出す。その時に見せたフェリシアーノの顔に、ヴァイオレットは先ほどと違うことにすぐに気付いた。
歩いて来るサクラを見た時のフェリシアーノは、花が咲いたような満面の笑顔になっていた。先ほどの貼り付けていたような優しい笑みとは全く違う。心からの喜びが溢れている。
フェリシアーノはサクラの手を取り、その手の甲に口付ける。すると、ホールの隅にいた音楽隊たちが演奏をし始めた。王子が相手を選ぶとワルツが始まるーーー予定だった。
「おかしいじゃないですか!!」
大声が響いた。その大声に楽器の音がピタリと止み、誰もが声を上げた人物に目を向ける。そこにいたのはイザベルだった。彼女は大股でフェリシアーノとサクラの元へと歩いて行く。