人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「僕たちが来たからよかったけど、ずっとあのまま本を読んでたら、火事になってたかもしれないんだからね!?」

「ヴァイオレット、怪我はしてない?そもそもどうしてヴァイオレットが厨房にいるの?それにその格好は?」

リオンとアイリスが口々にヴァイオレットに話しかける。ヴァイオレットは二人に謝った後、きちんと理由を探す。

「その、料理をしようと思ったの。私は今まで料理をしたことがなくて……。いつも二人がしてくれているけど、私もイヴァン様のために料理をしたいって思ってーーー」

そこまで言ってヴァイオレットはハッとし、口を覆う。説明をするならば「料理をしたい」だけでよかったはずだ。現に、アイリスとリオンはニヤニヤしている。

「へえ〜、イヴァン様のためにヴァイオレットが料理をね……」とリオン。

「いいと思うよ!イヴァン様、絶対に喜ぶ!」とアイリス。

ヴァイオレットはイヴァン様のことが好きなんだね、と言いたげな目で二人から見られてしまい恥ずかしさが込み上げ、今すぐこの場から逃げ出したくなる。
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