人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

（でも、ぐちゃぐちゃのキッチンの掃除を二人に押し付けるわけにはいかない……）

ヴァイオレットは色々と言いたいことはあったものの、料理を作れるのはリオンとアイリスだけである。グッと気持ちを堪えてヴァイオレットは訊ねた。

「私、何をすればいいの？」

ニヤニヤした二人に挟まれつつ、ヴァイオレットは料理を教えられながら朝ご飯を作った。



リオンとアイリスがいたおかげで、テーブルに並んだ食事は異臭を放っていたり、黒焦げで何の食べ物なのかわからない、という最悪な事態は避けることができた。

シーザーサラダ、マッシュポテトのサーモン巻き、照り焼きカレーチキン、かぼちゃのポタージュ、ロールパン、そして紅茶をヴァイオレットがリオンとアイリスと共にテーブルに用意し終えた時、モーニングルームにイヴァンが入って来る。

「おはよう……えっ？」

イヴァンの目はドレスではなくメイド服を着たヴァイオレットに真っ先に向けられる。その顔は驚きに包まれており、アイリスがニヤニヤしながら言う。