人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「フェリシアーノ、人の妻を口説くのはやめてくれ。君なら色んな相手がいるだろ」

イヴァンはため息を吐きながら言う。その声は何故か、ヴァイオレットには怒っているように聞こえた。

またしてもフェリシアーノに褒められ、ヴァイオレットは戸惑いを感じつつ嬉しさを感じていたのだが、ふと思う。

「あの、お二人はどういったご関係なんですか?ブルースター家はアルストロメリア王家との繋がりは強いと聞いていますが、お二人はまるで……」

ヴァイオレットは気になり、訊ねていた。繋がりが深い、と言ってもそれは古くからブルースター家が王家の宰相の補佐や大臣として城に仕えるという意味であり、決して友人という立場には通常ではなることはできないはずだ。しかし、二人の話し方をなどを聞くと、ただの友人同士にしか見えない。

「僕とフェリシアーノは同じ学校に通っていたんだよ。寮も同じ。とは言っても、僕の方が二歳年上だったから、同じ教室で授業を受けたことはなかったけどね。いきなりフェリシアーノと後輩二人に絡まれるようになって、それまでの穏やかな学生生活が一変したよ」

イヴァンは懐かしむように言う。フェリシアーノも笑い声を上げた。

「いや、同じ寮にいつも一人でいる人がいたから気になってさ。まさか、ここまでの仲になれるとは思ってなかったけど」
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