人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

（あのお二人もイヴァン様のお知り合いで、フェリシアーノ様のご友人の方？でも服装は高価そうなドレスやタキシードじゃないわ）

ヴァイオレットは色々と考えながら、フェリシアーノに説教をする男性と、呆れたような顔でフェリシアーノを見つめる女性を見る。すると視線に気付いたのか、中庭にいる全員と目が合った。

「あっ……」

イヴァンの青い瞳、フェリシアーノのオリーブ色の瞳、男性のハシバミ色の瞳、女性の黒い瞳、まるで宝石のような八つの目が応接室の中にいるヴァイオレットを見た刹那、女性が何かを呟く。すると、中庭にいた四人が応接室の中に一瞬にして移動していた。

「ヴァイオレット様ですね。フェリシアーノから話は聞いています。フェリシアーノの側近、サクラ・スエミヤです」

女性ーーーサクラが深々とヴァイオレットの目の前で頭を下げる。サラリと艶やかな黒髪が揺れ、ヴァイオレットはそれに見惚れてしまった。

「俺はオリバー・グリーンです。サクラと同じくフェリシアーノの側近をしています」

男性ーーーオリバーも頭を下げて自己紹介をする。イヴァンが口を開いた。

「この二人はフェリシアーノと同級生で、この三人はすごく仲がよかったんだ。僕はこの三人に懐かれたおかげで、それなりに楽しい学校生活を送れたよ」