人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

「では、四人は「友人」と呼べる関係なのですね」

ヴァイオレットがそう言うと、「まあ、そういう関係ですね」とオリバーは頭をガシガシとかきながら言う。その目は隣にいるフェリシアーノを睨んでいた。

「全くお前は！あのことを報告するからイヴァンのところへ行くと言っておいてサボるなんて、机に書類が溜まりまくってるぞ！」

「ええ〜……。いっつも頑張ってるからいいじゃんか」

「よくない！大体、お前は普段から将来この国を統治する者としてーーー」

フェリシアーノにオリバーが説教を始める。側近に叱られる王子など、ヴァイオレットは小説で見たことがなく、目の前の光景に驚きを隠せなかった。普通ならば、王子に敬語を使わずに話した時点で側近どころか城に仕えることすら許されない。

（よほど仲がいいのね）

ヴァイオレットがそう思っていると、「サクラ」とイヴァンがもう一人の側近の名前を呼ぶ。

「フェリシアーノがするはずだった報告って何？オリバーのあの様子じゃあと一時間は説教が続くだろうし、君が知ってたら教えてくれない？」

「はい。私が報告します」