人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「サクラがそう言うなら……」

オリバーは渋々観光することに納得し、フェリシアーノが「やった〜!」と飛び跳ねる。その姿はプレゼントを貰った子どものようだ。

「フェリシアーノ、お前はこの国の次期国王だからな。目立つようなことはするなよ」

オリバーがはしゃぐフェリシアーノの首根っこを掴み、持ち上げながら釘を刺す。フェリシアーノは「は〜い、パパ」とふざけながら言い、すぐにオリバーに「誰がパパだ!お前みたいな手のかかる息子、生まれた覚えも育てた覚えもない!」と言われ乱暴に離される。このままでは、オリバーの一時間の説教が始まってしまう。そう思ったのか、イヴァンが口を開いた。

「とりあえず表に出ようよ。時間がもったいない」

「わ、わかった」

オリバーがそう言い先頭に立って歩き始め、その後ろにサクラとフェリシアーノが続く。フェリシアーノはイヴァンに「ありがと」とこっそり言っていた。

「ヴァイオレット、手を」

イヴァンが手を差し出す。ヴァイオレットは何も考えずに手を差し出そうとして、途中で止めた。
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