人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
フェリシアーノがそう話すと、ヴァイオレットは「そうですか……!」と目を輝かせる。その紫の瞳はどこか潤んでいた。

その横顔を見ながらイヴァンは、フェリシアーノと先ほど話したことを思い出す。それは、彼のこれまでの人生観を大きく変える言葉だった。

中庭に瞬間移動した後、フェリシアーノは間髪入れずにイヴァンに言った。

「ねえ、さっきのヴァイオレットが言ったのどういうこと?偽りの妻って何?」

「そのままの意味だよ。僕は確かにヴァイオレットと結婚した。でも、ヴァイオレットには手を出したことはないし、出すつもりもない。僕は人狼だ。人を好きになっちゃいけない。これはヴァイオレットを守るためでもある」

イヴァンは、怖いほど無表情で詰め寄るフェリシアーノに驚きつつも自分の気持ちを正直に吐き出す。ここで誤魔化すと嘘を吐けなくする魔法をかけられると判断したためだ。

「君、学生時代は優秀だったのに、いつからこんなに馬鹿になっちゃったんだよ……」
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