人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
戸惑うイヴァンにフェリシアーノは笑いかける。学校の勉強面では先輩の彼に助けられてきたものの、恋愛面ではフェリシアーノの方が先輩である。
「ヴァイオレットを守るため、そうやって相手を気遣う言葉で出てきた時点でその人のことを気になってるって証拠なんだよ」
「でも、僕は人狼だ!人を好きになる資格なんてないし、ヴァイオレットを傷付けてしまうかもしれない!」
今まで人狼という立場でかけられてきた言葉の数々を思い出し、イヴァンは気持ちに蓋をするべきだと頭を乱暴に抱える。その手を素早くフェリシアーノは掴み、言った。
「人を好きになるのに資格も立場もないよ。それに、人狼のことをヴァイオレットはよく知ってるんでしょ?アプローチするべきだよ」
「でも、僕は一度ヴァイオレットを拒絶しているんだ。今更遅い。それならいっそ、知らない女性を口説いた方がいい」
イヴァンの胸が高鳴っていく。友人に言われ、初めてこの胸の痛みが、高鳴りが、「恋」と世間で呼ばれている感情なのだと知った。思い返せば、ヴァイオレットが身代わりの花嫁で、人狼について正しい知識を知っていることを知った瞬間から、イヴァンの中で彼女に対する見方は変わっていたのかもしれない。
「ヴァイオレットを守るため、そうやって相手を気遣う言葉で出てきた時点でその人のことを気になってるって証拠なんだよ」
「でも、僕は人狼だ!人を好きになる資格なんてないし、ヴァイオレットを傷付けてしまうかもしれない!」
今まで人狼という立場でかけられてきた言葉の数々を思い出し、イヴァンは気持ちに蓋をするべきだと頭を乱暴に抱える。その手を素早くフェリシアーノは掴み、言った。
「人を好きになるのに資格も立場もないよ。それに、人狼のことをヴァイオレットはよく知ってるんでしょ?アプローチするべきだよ」
「でも、僕は一度ヴァイオレットを拒絶しているんだ。今更遅い。それならいっそ、知らない女性を口説いた方がいい」
イヴァンの胸が高鳴っていく。友人に言われ、初めてこの胸の痛みが、高鳴りが、「恋」と世間で呼ばれている感情なのだと知った。思い返せば、ヴァイオレットが身代わりの花嫁で、人狼について正しい知識を知っていることを知った瞬間から、イヴァンの中で彼女に対する見方は変わっていたのかもしれない。