人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

「イヴァン、狼は一途でしょ？ヴァイオレットが好きなら、もう君はヴァイオレット以外の女性を見ることはできないよ」

フェリシアーノに素早く返され、イヴァンは言葉を失い、ため息を吐きながら俯く。フェリシアーノが言った言葉は事実だ。

「イヴァン、自分の気持ちから逃げちゃダメだ。このまま逃げ続けたらきっと後悔する。一瞬でも向き合ってみない？自分の気持ちは、言葉や形にしなくちゃ伝わらないんだよ」

イヴァンはヴァイオレットの顔を頭の中に浮かべる。初めて出会った時の少し不安げな顔、イザベル・ランカスターのフリをしていることを見抜いた時の驚いた顔、綺麗なウェディングドレスに少し嬉しそうにしていた顔、イヴァンに拒まれて悲しそうな顔。思い出すだけで胸が苦しい。それと同時に、もうこの気持ちから逃げることは永遠にできないのだと悟ってしまう。

「……何をしたら、ヴァイオレットは振り向いてくれる？」

イヴァンが訊ねると、フェリシアーノは嬉しそうに笑う。そして、「恋愛なら任せてよ！」とイヴァンにウインクを送る。