人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

（また、変な感じがする……。これは何かの病気？）

ヴァイオレットが戸惑っていると、フェリシアーノが口を開く。

「オリバー、二人を頼むね。俺とサクラはちょっと別の用事があるから、そっちを済ませてから行くよ」

「わかった。サクラ、フェリシアーノを頼むぞ」

オリバーの言葉にサクラは「はい」と頷き、フェリシアーノに「行きましょう」と促す。ヴァイオレットもオリバーに「我々も行きましょう」と声をかけられ、本屋へと向かった。

歩いて三分、オリバーに案内されて本屋に入ったヴァイオレットは「わぁ……！」と声を出し、棚に並べられた多くの本に笑顔を浮かべる。シャムロック国で目にしたことのある本もあったものの、ほとんどは初めて見る本ばかりである。

「ヴァイオレット、気になる本はある？」

イヴァンに訊ねられ、ヴァイオレットは目の前の本棚を見つめる。どうやらこの本棚には童話やファンタジー小説が並んでいるようだ。

「気になる本がありすぎて、正直迷ってしまいます」