人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

「イヴァン様、どうでしょうか？」

まるで林檎のような真紅のドレスを着たヴァイオレットは、恐る恐るイヴァンに訊ねる。ふんわりとしたパフスリーブには繊細な刺繍が施されており、ウエストにはリボンが巻き付けられている。

「……赤もよく似合う。いいね」

イヴァンは微笑んだ後、次に試着してほしいドレスを手に取り、ヴァイオレットに渡した。

何着も試着をし、最終的に買うことになったのは薄い紫のドレスだった。ドレス全体に小さな花が散りばめられ、胸元にはリボンが編み上げられている。

「ヴァイオレットの瞳と同じ色だ。……どのドレスより綺麗だと思う」

ヴァイオレットがドレス姿を見せた時、イヴァンは頬を赤くしながら言った。その時に言われた「綺麗」という言葉は、ヴァイオレットにとって一番嬉しかった。恥ずかしいという気持ちもあったが、自然と笑みが浮かんでしまう。

「では、このドレスがいいです。……本当によろしいのですか？」

「もちろんだよ。プレゼントさせてほしい。このドレスが一番よく似合ってる」