人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

「イヴァン、どこ行ってたの！？」

「やっと来たか……」

フェリシアーノとオリバーが口々に言い、イヴァンは「すまない」と謝りながら杖を飛び回るシャーデンフロイデに向け、迷うことなく魔法を放つ。杖の先から赤い閃光が飛び出したものの、シャーデンフロイデは魔法を軽々と避けてしまった。

「何回も魔法を放っているんだが、すぐに避けられてしまってな……。図体がデカい割にすばしっこい」

オリバーが悔しげに言い、イヴァンは「なるほど……」と呟き、上空を嘲笑うかのように飛行するシャーデンフロイデを睨むように見つめる。

「グアァァァァァァァァァァァ！！」

シャーデンフロイデは低く大きな鳴き声を上げた。そして、その口から炎が飛び出し、噴水広場の近くにあった店を燃やしていく。

「ああ、私の店が……」

「代々続く大切な店だったのに……！」

店の店主であろう人たちが目に涙を浮かび、肩を震わせる。ヴァイオレットはすぐに店を燃やされた人に声をかけていた。