人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
「ドンナー!」

イヴァン、フェリシアーノ、オリバーが同時に同じ呪文を唱えると、シャーデンフロイデの頭上に黒い雲が浮かぶ。刹那、その雲から雷が落ちた。ドンッと大きな音を立てて青白い雷がシャーデンフロイデの体を貫く。

「グアァァァァァァァァァァァ!!」

痛みからかシャーデンフロイデは先ほどより大きな声を上げ、さらに空高くへと羽を動かして飛んでいく。そして、その姿は見えなくなってしまった。

「逃げられたか……」

オリバーが唇を噛み締める。その横でフェリシアーノが「まあ、怪我人はいないから」とオリバーの肩をポンポンと叩く。

「イヴァン様、フェリシアーノ様、オリバー様、お怪我はありませんか?」

ヴァイオレットは三人に駆け寄り、声をかける。オリバーがすぐに「大丈夫です!」と返し、フェリシアーノはニコリと笑いかける。そしてイヴァンはーーー。

「ヴァイオレット、心配してくれてありがとう。僕も二人も無事だ」

ヴァイオレットの頰にそっと触れ、イヴァンは言う。その言葉にヴァイオレットは「よかった……」とホッとしていると、「皆さん、ご無事ですか!?」と声が響いた。振り返れば、サクラが走って来る。
< 98 / 224 >

この作品をシェア

pagetop