アオハル、キス。


中学2年生になってクラスも新しくなって、よく一緒にいるようになったのが、さっき私を「背後霊」と言って走っていった2人。


瞳ちゃんと紗栄ちゃん。


クラスでも目立つ方のふたり。


いわゆる陽キャで、陽キャでも陰キャでもない私はふたりに「和(のどか)ちゃん可愛い」なんて声を掛けられていつの間にか仲良くなっていた、はずだった。


それは、3年の男子の先輩に呼び出され告白を断った帰りのこと。

下駄箱で待ってると言っていた2人の所へ向かい、段差に腰掛けて話している瞳ちゃんと紗栄ちゃんに声をかけようとした時だった。


「てか、ほんと最近調子乗りすぎじゃない?」

「告白されてるの待たされてるってなに。ちょっと可愛いからってね。うちらと一緒いるおかげなのにねー」


私に背中を向けているかたちで話している2人。


その背中から2mもない距離で、私は静かに足を止めた。


陽キャな2人は元々声も大きいし、周りにもパラパラと下校する人がいたけど、はっきりと私の耳にまで聞こえた。


誰のことを話してるのか。


良い話なのか、悪い話なのか。


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