両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
翔真さんの答えを聞いて、園田さんの目が輝く。
「ってことは、藤沢さんは専務を務められている弟さんとも幼なじみなんですよね?」
問いかけにうなずく。
吉永家と我が家は両親同士の仲が良く、小さなころから交流があった。
幼なじみとして育った私たち三人。翔真さんは四歳上で、弟の悠希は一歳上。
子どものころの四歳差は大きく、翔真さんはとても大人に見えた。やんちゃで意地悪な悠希と違い、いつも落ち着いていて優しい翔真さんは私の初恋で憧れだった。
そのころからずっと翔真さんに片想いをし続けている。
「イケメン御曹司兄弟と幼なじみとして一緒に育ったなんて、うらやましすぎますね。じゃあ、小さなころからお互いに好意を持っていたり?」
「いえ、あの。その……」
私はずっと彼が好きだったけど、翔真さんは違う。返答に困る私を見て、話を聞いていた佐野さんが園田さんをたしなめる。
「園田。あれこれ詮索するな。失礼だろ」
佐野さんの言葉に、園田さんははっとして頭を下げた。
「すみません。こんな素敵なご夫婦のお話を聞く機会なんてなかなかないので、興奮してしまいました」
彼女の謝罪に、翔真さんは「大丈夫ですよ」と穏やかに微笑む。
その様子を私は黙って見守る。すると佐野さんがそんな私を見て首をかしげた。
「ってことは、藤沢さんは専務を務められている弟さんとも幼なじみなんですよね?」
問いかけにうなずく。
吉永家と我が家は両親同士の仲が良く、小さなころから交流があった。
幼なじみとして育った私たち三人。翔真さんは四歳上で、弟の悠希は一歳上。
子どものころの四歳差は大きく、翔真さんはとても大人に見えた。やんちゃで意地悪な悠希と違い、いつも落ち着いていて優しい翔真さんは私の初恋で憧れだった。
そのころからずっと翔真さんに片想いをし続けている。
「イケメン御曹司兄弟と幼なじみとして一緒に育ったなんて、うらやましすぎますね。じゃあ、小さなころからお互いに好意を持っていたり?」
「いえ、あの。その……」
私はずっと彼が好きだったけど、翔真さんは違う。返答に困る私を見て、話を聞いていた佐野さんが園田さんをたしなめる。
「園田。あれこれ詮索するな。失礼だろ」
佐野さんの言葉に、園田さんははっとして頭を下げた。
「すみません。こんな素敵なご夫婦のお話を聞く機会なんてなかなかないので、興奮してしまいました」
彼女の謝罪に、翔真さんは「大丈夫ですよ」と穏やかに微笑む。
その様子を私は黙って見守る。すると佐野さんがそんな私を見て首をかしげた。