両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「藤沢さん、さっきまで笑顔だったのに急に表情が強張りましたね。もう取材は終わったのに、緊張してきちゃいました?」
その指摘にぎくりと肩が跳ねた。さすがカメラマンさん。人の表情から感情を読みとるのがうまいんだろう。
「いえ、そんなことは」と取り繕いながらも、手のひらが汗ばむほど緊張していた。
自然に振舞おうとしているのに、全神経が隣にいる翔真さんに集中してしまう。
翔真さんが心配するように私に視線を向けた。その優しい表情にときめきが暴走しそうになる。
だって、こんなにかっこいい翔真さんが隣にいたら、緊張せずにはいられないじゃないですか……!
そう叫びたいのを、必死にこらえた。
私は自分の夫である翔真さんが好きで好きで仕方ないのだ。彼を前にすると平常心ではいられないくらいに。
翔真さんは挨拶をすませるとすぐに仕事に戻っていった。
ショールームの入口には副社長秘書の設楽さんが待ち構えていた。設楽さんは四十代の男性で、多忙な翔真さんをいつもサポートしてくれている。
あまり表情を変えず常に冷静沈着なので、本当はロボットなのでは?なんて冗談が出るくらい有能な男性秘書だ。
綺麗な会釈をし軽く微笑んでから踵を返した翔真さんは、設楽さんに目配せしてショールームを出て行く。
広い歩幅で歩く様子は颯爽としていて、立ち去るうしろ姿までかっこよかった。
その指摘にぎくりと肩が跳ねた。さすがカメラマンさん。人の表情から感情を読みとるのがうまいんだろう。
「いえ、そんなことは」と取り繕いながらも、手のひらが汗ばむほど緊張していた。
自然に振舞おうとしているのに、全神経が隣にいる翔真さんに集中してしまう。
翔真さんが心配するように私に視線を向けた。その優しい表情にときめきが暴走しそうになる。
だって、こんなにかっこいい翔真さんが隣にいたら、緊張せずにはいられないじゃないですか……!
そう叫びたいのを、必死にこらえた。
私は自分の夫である翔真さんが好きで好きで仕方ないのだ。彼を前にすると平常心ではいられないくらいに。
翔真さんは挨拶をすませるとすぐに仕事に戻っていった。
ショールームの入口には副社長秘書の設楽さんが待ち構えていた。設楽さんは四十代の男性で、多忙な翔真さんをいつもサポートしてくれている。
あまり表情を変えず常に冷静沈着なので、本当はロボットなのでは?なんて冗談が出るくらい有能な男性秘書だ。
綺麗な会釈をし軽く微笑んでから踵を返した翔真さんは、設楽さんに目配せしてショールームを出て行く。
広い歩幅で歩く様子は颯爽としていて、立ち去るうしろ姿までかっこよかった。