両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「女同士で買い物を楽しみたいから、翔真は邪魔だと言っていた」
翔真さんは不満そうな表情を浮かべた。そしてため息をつきながら私を見る。
「悪い。母さんには彩菜をあちこち連れ回して困らせないようにとちゃんと言っておくから」
そんな話をしていると「社長。副社長。そろそろ」と落ち着いた声がした。
振り返った先には男性秘書の設楽さんがいた。多忙なふたりを迎えに来たんだろう。
「おや、もう時間か」
設楽さんの言葉にお義父様は腕時計を確認してから、翔真さんに目配せをする。翔真さんはうなずき、私に微笑みかけてから食堂を出て行った。
ふたりが去った後、それまでのやりとりを見ていた萌絵さんが「はぁ~」と満足そうに息を吐き出す。
「副社長の相変わらずの過保護っぷり、いいわぁ~」
「過保護っぷり?」
私が目を瞬かせると、恋愛ドラマと妄想が大好きな萌絵さんが早口でしゃべりだした。
「副社長のあの真剣な顔見た? 本気で仕事を調整して彩菜ちゃんの病院に付き添うつもりだったわよ」
「まさか」
翔真さんは不満そうな表情を浮かべた。そしてため息をつきながら私を見る。
「悪い。母さんには彩菜をあちこち連れ回して困らせないようにとちゃんと言っておくから」
そんな話をしていると「社長。副社長。そろそろ」と落ち着いた声がした。
振り返った先には男性秘書の設楽さんがいた。多忙なふたりを迎えに来たんだろう。
「おや、もう時間か」
設楽さんの言葉にお義父様は腕時計を確認してから、翔真さんに目配せをする。翔真さんはうなずき、私に微笑みかけてから食堂を出て行った。
ふたりが去った後、それまでのやりとりを見ていた萌絵さんが「はぁ~」と満足そうに息を吐き出す。
「副社長の相変わらずの過保護っぷり、いいわぁ~」
「過保護っぷり?」
私が目を瞬かせると、恋愛ドラマと妄想が大好きな萌絵さんが早口でしゃべりだした。
「副社長のあの真剣な顔見た? 本気で仕事を調整して彩菜ちゃんの病院に付き添うつもりだったわよ」
「まさか」