両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「そんな心配しなくても、翔真さんの評判を落とすようなことはしませんよ」
「そうじゃなくて……」
私たちが話をしていると、「翔真、来たか」と声をかけられた。
やって来たのはブラックスーツを着たお義父様とお着物姿のお義母様。お義母様は私を見てうれしそうに目を細める。
「彩菜ちゃん。やっぱりそのドレス素敵ね」
お義母様の言葉に「ありがとうございます」と頭を下げる。
「本当に綺麗すぎて、翔真が過保護になる気持ちもわかるわ」
「翔真さんが過保護に?」
「今まで何度もパーティーに誘ったのに、翔真はなかなか彩菜ちゃんを連れて来てきてくれないんだもの」
「そうだったんですか」
そんな話は一度も聞いていなかった。私が知らないところで翔真さんが断っていたんだろう。
「何度翔真に言っても話を流されるから、今回は主人がしびれを切らして直接彩菜ちゃんを誘ったのよ」
「翔真は普段私たちの頼みならなんでもきいてくれるのに、彩菜ちゃんに関することだけは頑固になるんだよな」
私たちが政略結婚をした目的のひとつは、藤沢家の人脈を有効に使いたいからだったはずだ。そのためには、藤沢家のひとり娘である私が妻として社交の場に出る必要があるのに。
「そうじゃなくて……」
私たちが話をしていると、「翔真、来たか」と声をかけられた。
やって来たのはブラックスーツを着たお義父様とお着物姿のお義母様。お義母様は私を見てうれしそうに目を細める。
「彩菜ちゃん。やっぱりそのドレス素敵ね」
お義母様の言葉に「ありがとうございます」と頭を下げる。
「本当に綺麗すぎて、翔真が過保護になる気持ちもわかるわ」
「翔真さんが過保護に?」
「今まで何度もパーティーに誘ったのに、翔真はなかなか彩菜ちゃんを連れて来てきてくれないんだもの」
「そうだったんですか」
そんな話は一度も聞いていなかった。私が知らないところで翔真さんが断っていたんだろう。
「何度翔真に言っても話を流されるから、今回は主人がしびれを切らして直接彩菜ちゃんを誘ったのよ」
「翔真は普段私たちの頼みならなんでもきいてくれるのに、彩菜ちゃんに関することだけは頑固になるんだよな」
私たちが政略結婚をした目的のひとつは、藤沢家の人脈を有効に使いたいからだったはずだ。そのためには、藤沢家のひとり娘である私が妻として社交の場に出る必要があるのに。