両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「園田。気持ちはわかるけど、吉永自動車の副社長がモデルなんてするわけないんだから、あきらめろよ」
佐野さんにそう言われ、園田さんが残念そうに肩を落とした。
「でも絶対モデルの才能もあると思うんだけどなぁ……」
あきらめきれない様子の園田さんの隣で、佐野さんが「しつこくてすみません」と苦笑いしながら謝る。
「いえ。とんでもないです」
そんなやりとりをしてから、園田さんと佐野さんとはエントランスでご挨拶をして別れた。
時計を見るとちょうどお昼だったので、社内の食堂に向かう。
本社ビルの一階にある食堂は開放感のあるおしゃれな造りで、ランチタイムが終わると地域の人も利用可能なカフェテリアになる。
パスタと飲み物を乗せたトレイを持って歩いていると、先輩の手島萌絵さんに声をかけられた。
「彩菜ちゃん」
「あ、萌絵さん」
おいでと手招きされて、彼女の向かいの椅子に座った。
「雑誌の取材だったんでしょう? お疲れ様」
「ありがとうございます。すごく緊張しました……っ」
優しい萌絵さんの顔を見て、一気に気が緩む。くたりと椅子に座り込むと、「えらいえらい」と頭をなでてくれた。
萌絵さんは私のひとつ年上の優しい先輩だ。とてもおしゃれで美人でしかも気さく。私の憧れの女性でもある。
「彩菜ちゃんは目立つのが苦手だもんね」
「そうなんですよ。私より萌絵さんが取材を受けたほうがよかったのに」
佐野さんにそう言われ、園田さんが残念そうに肩を落とした。
「でも絶対モデルの才能もあると思うんだけどなぁ……」
あきらめきれない様子の園田さんの隣で、佐野さんが「しつこくてすみません」と苦笑いしながら謝る。
「いえ。とんでもないです」
そんなやりとりをしてから、園田さんと佐野さんとはエントランスでご挨拶をして別れた。
時計を見るとちょうどお昼だったので、社内の食堂に向かう。
本社ビルの一階にある食堂は開放感のあるおしゃれな造りで、ランチタイムが終わると地域の人も利用可能なカフェテリアになる。
パスタと飲み物を乗せたトレイを持って歩いていると、先輩の手島萌絵さんに声をかけられた。
「彩菜ちゃん」
「あ、萌絵さん」
おいでと手招きされて、彼女の向かいの椅子に座った。
「雑誌の取材だったんでしょう? お疲れ様」
「ありがとうございます。すごく緊張しました……っ」
優しい萌絵さんの顔を見て、一気に気が緩む。くたりと椅子に座り込むと、「えらいえらい」と頭をなでてくれた。
萌絵さんは私のひとつ年上の優しい先輩だ。とてもおしゃれで美人でしかも気さく。私の憧れの女性でもある。
「彩菜ちゃんは目立つのが苦手だもんね」
「そうなんですよ。私より萌絵さんが取材を受けたほうがよかったのに」