両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
以前から翔真さんはお義父様似で、悠希はお義母様似だなとは思っていた。だけど、それだけで血の繋がりがないという証明にはならない。
「彼が婚外子なら、吉永家で育てられたのはおかしいと思います」
私と翔真さんは幼なじみで、小さなころから一緒に遊んでいた。そんな彼が、愛人の子どもだなんてとても信じられない。
「翔真が愛人の子なのに吉永家で育てられたのは、実の母親に捨てられたからだろ」
「捨てられた……?」
青ざめる私とは対照的に、飯島さんは楽しくて仕方ないというように肩を震わせ笑っていた。
「あぁ。母親から『こんな子どもはいらない』と捨てられたから、仕方なく吉永家が引き取って育てたんだ。社長の妻は夫に裏切られた上に、憎い愛人の子どもである翔真を育てろと命令されて、どんな気持ちだっただろうな。きっと翔真のことを死ぬほど憎んでいるだろうな」
「まさか……」
「俺の父親は、昔から吉永自動車の下請けをやっていて吉永社長とも交流があったんだ。その父親から聞いたんだから間違いない」
信じたくないのに、心のどこかでもしかしたらと思ってしまう自分もいた。
私自身、翔真さんの態度に違和感を抱いていたからだ。
「彼が婚外子なら、吉永家で育てられたのはおかしいと思います」
私と翔真さんは幼なじみで、小さなころから一緒に遊んでいた。そんな彼が、愛人の子どもだなんてとても信じられない。
「翔真が愛人の子なのに吉永家で育てられたのは、実の母親に捨てられたからだろ」
「捨てられた……?」
青ざめる私とは対照的に、飯島さんは楽しくて仕方ないというように肩を震わせ笑っていた。
「あぁ。母親から『こんな子どもはいらない』と捨てられたから、仕方なく吉永家が引き取って育てたんだ。社長の妻は夫に裏切られた上に、憎い愛人の子どもである翔真を育てろと命令されて、どんな気持ちだっただろうな。きっと翔真のことを死ぬほど憎んでいるだろうな」
「まさか……」
「俺の父親は、昔から吉永自動車の下請けをやっていて吉永社長とも交流があったんだ。その父親から聞いたんだから間違いない」
信じたくないのに、心のどこかでもしかしたらと思ってしまう自分もいた。
私自身、翔真さんの態度に違和感を抱いていたからだ。