両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
お義母様は誤魔化してくれたけれど、一瞬の沈黙で嘘を感じ取ったのか翔真さんが真剣な声で問う。
『いるんですね。そこに』
確信を持った低い声が響いた。
「どうして彩菜ちゃんがここにいると思うの?」
『あちこちに電話しましたが、なにも知らない人は彩菜になにがあったのか聞き返してきました。事情もたずねず『いない』と言ったのは、彩菜に口止めされたからでしょう?』
どうしよう。ばれてしまった。するどすぎる翔真さんに冷や汗をかく。
でも、翔真さんは札幌にいるはずだ。出張で日曜日までは帰ってこれない。その間に離婚するための準備をすれば問題はない。そう自分に言い聞かせる。
けれど、翔真さんの『今すぐそちらに行きます』という言葉を聞いて目を丸くした。
「今すぐって。翔真は札幌にいるはずじゃ?」
お義父様が笑いをこらえながら翔真さんにたずねる。
『さきほどこちらに帰ってきました。今は自宅にいます』
空港から自宅に帰り私がいないと知り、あちこちに電話をかけて捜してくれていたんだろうか。
それを聞いたお義父様がおもしろがるようにたずねた。
「真面目な翔真が、仕事を放り出して帰って来たのか?」
『申し訳ありません』
彼の謝罪を聞いて、「嘘でしょう……」と声がもれた。
『いるんですね。そこに』
確信を持った低い声が響いた。
「どうして彩菜ちゃんがここにいると思うの?」
『あちこちに電話しましたが、なにも知らない人は彩菜になにがあったのか聞き返してきました。事情もたずねず『いない』と言ったのは、彩菜に口止めされたからでしょう?』
どうしよう。ばれてしまった。するどすぎる翔真さんに冷や汗をかく。
でも、翔真さんは札幌にいるはずだ。出張で日曜日までは帰ってこれない。その間に離婚するための準備をすれば問題はない。そう自分に言い聞かせる。
けれど、翔真さんの『今すぐそちらに行きます』という言葉を聞いて目を丸くした。
「今すぐって。翔真は札幌にいるはずじゃ?」
お義父様が笑いをこらえながら翔真さんにたずねる。
『さきほどこちらに帰ってきました。今は自宅にいます』
空港から自宅に帰り私がいないと知り、あちこちに電話をかけて捜してくれていたんだろうか。
それを聞いたお義父様がおもしろがるようにたずねた。
「真面目な翔真が、仕事を放り出して帰って来たのか?」
『申し訳ありません』
彼の謝罪を聞いて、「嘘でしょう……」と声がもれた。