両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「一年前。藤沢家が大きな負債を抱えているのを知って、俺から両親に政略結婚の話を持ち掛けたんだ。藤沢家を助けたいという気持ちや、結婚すれば会社のメリットになるというのは大前提としてあったけど、工場と一緒に負債を引き受けると言えば結婚を断れないだろうという打算もあった」
俺が正直に話すと、彩菜が驚いた表情で俺を見た。
「この結婚は、翔真さんが言い出した話なんですか……?」
「こんなやり方をするなんて、自分でも卑怯だと思う。責められても仕方ない」
「でも、私は吉永家との結婚としか言われてなかったです。両親も、私の結婚相手には年が近い悠希がいいだろうって言っていたのに」
「そのころ、悠希はアメリカ赴任が決まっていただろ。あのタイミングで結婚の話を持ち掛ければ、過保護なお義父さんは悠希ではなく俺との結婚を考えるだろうと思ったんだ。実際に藤沢家からは、彩菜を海外に行かせるわけにはいかないから、俺との結婚なら受けると返答が来た」
「全部、翔真さんの思惑通りだったってことですか……?」
彩菜は小さな声で信じられないとつぶやく。
「悪かった。彩菜の気持ちを知っているのに、こんなかたちで踏みにじるようなことをして」
「私の気持ち?」
首をかしげた彩菜にうなずく。
俺が正直に話すと、彩菜が驚いた表情で俺を見た。
「この結婚は、翔真さんが言い出した話なんですか……?」
「こんなやり方をするなんて、自分でも卑怯だと思う。責められても仕方ない」
「でも、私は吉永家との結婚としか言われてなかったです。両親も、私の結婚相手には年が近い悠希がいいだろうって言っていたのに」
「そのころ、悠希はアメリカ赴任が決まっていただろ。あのタイミングで結婚の話を持ち掛ければ、過保護なお義父さんは悠希ではなく俺との結婚を考えるだろうと思ったんだ。実際に藤沢家からは、彩菜を海外に行かせるわけにはいかないから、俺との結婚なら受けると返答が来た」
「全部、翔真さんの思惑通りだったってことですか……?」
彩菜は小さな声で信じられないとつぶやく。
「悪かった。彩菜の気持ちを知っているのに、こんなかたちで踏みにじるようなことをして」
「私の気持ち?」
首をかしげた彩菜にうなずく。