両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
彩菜は感情が抑えきれないのか、半泣きになりながらそう言った。
そんな彩菜を見て、「ははっ」と笑い声がもれる。
初めて彼女を抱いた夜。キスをしようと顔を近づけたときも、彩菜はこうやって硬く目をつぶった。
その姿を見て拒絶されたんだと勘違いしていたけれど、本当はこんなことを考えていたのか。
「もしかして、抱かれるときにいつも暗くしてとお願いしていたのも同じ理由?」
「だって、翔真さんを至近距離で見るだけでも緊張するのに、そのうえいやらしいことをたくさんされたら理性が保っていられないじゃないですか! せめて視覚情報を減らしてなんとか冷静でいようと思って……」
「俺と悠希の声は似ているから、暗くして顔を見えなくして、俺じゃなく悠希に抱かれていると思い込もうとしているのかと思ってた」
「まさか。私が抱かれたいと思うのは、翔真さんだけです!」
「本当に?」
「本当ですっ!」
むきになる彩菜がかわいくてたまらなくなる。
手を伸ばし、彼女の後頭部を包む。そのまま引き寄せると、彩菜がごくりと喉を上下させた。
「じゃあ、キスしてもいい?」
至近距離で見つめながらねだるようにたずねる。
「は、はい……」
彩菜がうなずいたのを確認して、ゆっくりと顔を近づける。
そんな彩菜を見て、「ははっ」と笑い声がもれる。
初めて彼女を抱いた夜。キスをしようと顔を近づけたときも、彩菜はこうやって硬く目をつぶった。
その姿を見て拒絶されたんだと勘違いしていたけれど、本当はこんなことを考えていたのか。
「もしかして、抱かれるときにいつも暗くしてとお願いしていたのも同じ理由?」
「だって、翔真さんを至近距離で見るだけでも緊張するのに、そのうえいやらしいことをたくさんされたら理性が保っていられないじゃないですか! せめて視覚情報を減らしてなんとか冷静でいようと思って……」
「俺と悠希の声は似ているから、暗くして顔を見えなくして、俺じゃなく悠希に抱かれていると思い込もうとしているのかと思ってた」
「まさか。私が抱かれたいと思うのは、翔真さんだけです!」
「本当に?」
「本当ですっ!」
むきになる彩菜がかわいくてたまらなくなる。
手を伸ばし、彼女の後頭部を包む。そのまま引き寄せると、彩菜がごくりと喉を上下させた。
「じゃあ、キスしてもいい?」
至近距離で見つめながらねだるようにたずねる。
「は、はい……」
彩菜がうなずいたのを確認して、ゆっくりと顔を近づける。