両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
私の名前を呼ぶその優しい声が、世界で一番好きだ。できるなら録音して、毎朝この声で目覚めたい。
そんなことをしたらドン引きされるだろうから我慢しているけど。
はぁ……。今日も私の旦那様はかっこよすぎる。
感動を噛みしめる私を見て、彼が「どうかした?」と首をかしげた。
「いえ、なんでも」
なんとか興奮を隠しつつバッグと上着を受け取ろうと手を差し出す。翔真さんは柔らかく笑い首を横に振った。
母はいつもこうやって父を出迎えていたから私もそれにならっているんだけど、彼が私に荷物を持たせることはない。
こういうところも紳士で素敵だ。
「今日は突然ショールームに来られたので驚きました」
そんな話をしながら廊下を進む。
「あぁ。あの時間に彩菜が取材を受けてると聞いたから、秘書の設楽さんに頼んで少しだけ時間を空けてもらったんだ」
「多忙な翔真さんがわざわざ?」
「心配だったから」
なにが心配だったんだろうと不思議に思い、そうかと気付く。
「私が取材で変なことを言わないか、不安で様子を見に来たんですね。大丈夫ですよ、副社長である翔真さんのイメージを壊すような失言は絶対にしませんから」
私が力強く言うと、翔真さんが苦笑した。
「そういう心配はしてないよ」
「じゃあどういう心配を?」
翔真さんは首をかしげた私を、ちらりと流し目で見下ろす。
そんなことをしたらドン引きされるだろうから我慢しているけど。
はぁ……。今日も私の旦那様はかっこよすぎる。
感動を噛みしめる私を見て、彼が「どうかした?」と首をかしげた。
「いえ、なんでも」
なんとか興奮を隠しつつバッグと上着を受け取ろうと手を差し出す。翔真さんは柔らかく笑い首を横に振った。
母はいつもこうやって父を出迎えていたから私もそれにならっているんだけど、彼が私に荷物を持たせることはない。
こういうところも紳士で素敵だ。
「今日は突然ショールームに来られたので驚きました」
そんな話をしながら廊下を進む。
「あぁ。あの時間に彩菜が取材を受けてると聞いたから、秘書の設楽さんに頼んで少しだけ時間を空けてもらったんだ」
「多忙な翔真さんがわざわざ?」
「心配だったから」
なにが心配だったんだろうと不思議に思い、そうかと気付く。
「私が取材で変なことを言わないか、不安で様子を見に来たんですね。大丈夫ですよ、副社長である翔真さんのイメージを壊すような失言は絶対にしませんから」
私が力強く言うと、翔真さんが苦笑した。
「そういう心配はしてないよ」
「じゃあどういう心配を?」
翔真さんは首をかしげた私を、ちらりと流し目で見下ろす。