両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「いえ、とても素敵ですけど……」
「よかった」
「でも、すごく高そうです。誕生日でも記念日でもないのに、こんなプレゼントをいただくわけには」
ファッションやブランドに疎い私でも、このブレスレットが高価なものだということはわかる。『お土産』なんて気軽にプレゼントするものではない。
戸惑っている間に、翔真さんが私の手首にブレスレットをつけてくれた。
華奢なチェーンが美しいブレスレット。さりげないのに上品でとても素敵だった。
「出先でたまたま見つけて、彩菜の顔が浮かんだ。きっと似合うだろうと思ったんだ」
忙しい翔真さんが、仕事中に素敵なものを見て私を思い出してくれた。高価なプレゼントよりも、彼の心の中に私がいることがうれしい。
「ありがとうございます」
しっかりと頭を下げお礼を言ってから、「でも」と眉を下げた。
「いつももらってばかりで申し訳ないです」
そう言った私を、翔真さんはわずかに首を傾けて見下ろす。彼の黒い髪がさらりと流れた。
「俺が買いたくて買ったんだから、気にしなくていい。それにこうやってプレゼントでもしないと、彩菜は俺に遠慮してお金を使わないだろ」
結婚当初に『なんでも好きなものを買っていい』と翔真さんから黒色のカードを渡されていた。
「よかった」
「でも、すごく高そうです。誕生日でも記念日でもないのに、こんなプレゼントをいただくわけには」
ファッションやブランドに疎い私でも、このブレスレットが高価なものだということはわかる。『お土産』なんて気軽にプレゼントするものではない。
戸惑っている間に、翔真さんが私の手首にブレスレットをつけてくれた。
華奢なチェーンが美しいブレスレット。さりげないのに上品でとても素敵だった。
「出先でたまたま見つけて、彩菜の顔が浮かんだ。きっと似合うだろうと思ったんだ」
忙しい翔真さんが、仕事中に素敵なものを見て私を思い出してくれた。高価なプレゼントよりも、彼の心の中に私がいることがうれしい。
「ありがとうございます」
しっかりと頭を下げお礼を言ってから、「でも」と眉を下げた。
「いつももらってばかりで申し訳ないです」
そう言った私を、翔真さんはわずかに首を傾けて見下ろす。彼の黒い髪がさらりと流れた。
「俺が買いたくて買ったんだから、気にしなくていい。それにこうやってプレゼントでもしないと、彩菜は俺に遠慮してお金を使わないだろ」
結婚当初に『なんでも好きなものを買っていい』と翔真さんから黒色のカードを渡されていた。