両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
どうしよう。ドキドキしすぎて翔真さんの顔を見れない。うつむき自分の膝を見下ろしていると、ふっと短く息を吐く音が聞こえた。
「彩菜は子どものころから悠希の前では無邪気に笑うのに、俺とふたりきりになると目をそらして黙り込んでしまうよな」
静かな口調で言われ、慌てて顔を上げる。
「え?」
「披露宴の直前でも、悠希の顔を見た途端いつもの笑顔になってた。あいつがいると安心できるんだな」
私の態度のせいで翔真さんに不快な思いをさせてしまったんだと気付き青ざめる。
「すみません。わざとじゃないんですけど……っ」
私がそう言うと、翔真さんは「謝らなくていいよ」と首を横に振った。
「謝らないといけないのは、彩菜の気持ちをわかっているのにこの結婚を決めた俺のほうだから」
「私の気持ち……?」
意味がわからず目を瞬かせる。
「今日は早めに寝ようか」
翔真さんはそう言ってソファから立ち上がった。
「でも、あの。別々に寝るんですか?」
困惑しながら翔真さんを見上げる。
「あぁ。今日は朝から挙式をして披露宴をして、疲れただろ」
優しい口調で言い、私をソファから立ち上がらせる。そして私が使う寝室の前まで来ると、こちらを見下ろした。
「おやすみ、彩菜」
翔真さんは優しく頭をなでてくれる。
「彩菜は子どものころから悠希の前では無邪気に笑うのに、俺とふたりきりになると目をそらして黙り込んでしまうよな」
静かな口調で言われ、慌てて顔を上げる。
「え?」
「披露宴の直前でも、悠希の顔を見た途端いつもの笑顔になってた。あいつがいると安心できるんだな」
私の態度のせいで翔真さんに不快な思いをさせてしまったんだと気付き青ざめる。
「すみません。わざとじゃないんですけど……っ」
私がそう言うと、翔真さんは「謝らなくていいよ」と首を横に振った。
「謝らないといけないのは、彩菜の気持ちをわかっているのにこの結婚を決めた俺のほうだから」
「私の気持ち……?」
意味がわからず目を瞬かせる。
「今日は早めに寝ようか」
翔真さんはそう言ってソファから立ち上がった。
「でも、あの。別々に寝るんですか?」
困惑しながら翔真さんを見上げる。
「あぁ。今日は朝から挙式をして披露宴をして、疲れただろ」
優しい口調で言い、私をソファから立ち上がらせる。そして私が使う寝室の前まで来ると、こちらを見下ろした。
「おやすみ、彩菜」
翔真さんは優しく頭をなでてくれる。