両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「だって、私たちはすでに夫婦なんですよ。しかも政略結婚。翔真さんが私を依存させてもなんの得にもならないじゃないですか」
私が冷静に否定すると、萌絵さんは「わかってないわね」と人差し指を横に振る。
「執着愛は損得や理屈じゃ説明できないの。愛している人が自分から離れようなんて思えなくなるように、囲い込んで甘やかしてじわじわ依存させたいのよ」
妄想が楽しくて仕方ないというように、萌絵さんはきつくこぶしを握りながらしゃべり続ける。
「それに、プレゼントがチェーンのブレスレットっていうのもいいわよね。手錠をかけて鎖で繋いでおきたいって願望のあらわれでしょ。さわやかで穏やかなあの副社長が、自分の妻に対してだけは激重な執着愛を抱いているなんて萌えるわー!」
興奮する萌絵さんに「なにを言ってるんですか」と苦笑いをする。
「翔真さんが私に執着しているわけがないですよ」
否定すると萌絵さんは「えー。そうかなぁ」と不満そうに私を見た。
仕事を終え自宅に帰るために駅へ向かって歩いていると、うしろから肩を叩かれた。
「おねーさん。お茶しない?」
そう言われ振り返る。背の高い男の人が私を見下ろしていた。
私が冷静に否定すると、萌絵さんは「わかってないわね」と人差し指を横に振る。
「執着愛は損得や理屈じゃ説明できないの。愛している人が自分から離れようなんて思えなくなるように、囲い込んで甘やかしてじわじわ依存させたいのよ」
妄想が楽しくて仕方ないというように、萌絵さんはきつくこぶしを握りながらしゃべり続ける。
「それに、プレゼントがチェーンのブレスレットっていうのもいいわよね。手錠をかけて鎖で繋いでおきたいって願望のあらわれでしょ。さわやかで穏やかなあの副社長が、自分の妻に対してだけは激重な執着愛を抱いているなんて萌えるわー!」
興奮する萌絵さんに「なにを言ってるんですか」と苦笑いをする。
「翔真さんが私に執着しているわけがないですよ」
否定すると萌絵さんは「えー。そうかなぁ」と不満そうに私を見た。
仕事を終え自宅に帰るために駅へ向かって歩いていると、うしろから肩を叩かれた。
「おねーさん。お茶しない?」
そう言われ振り返る。背の高い男の人が私を見下ろしていた。