両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
左手を持ち上げ見せると悠希は納得したように笑った。
「なるほど。いつ見ても自己主張の強い結婚指輪だよな」
「私にはもったいないくらい綺麗だよね」
緩やかな曲線に沿って小さなダイヤが埋め込まれたプラチナの結婚指輪は、一流ブランドのものだ。具体的な値段は教えてもらってないけれど、絶対高いと思う。
「指輪もだけど、お前の服や靴って全部兄貴が選んでるんだろ」
「うん」
「あいつ、ほんと策士だよな」
おもしろがるように笑われ、意味が分からず首をかしげた。
「どういう意味?」
「いくらお前が綺麗でも、高い結婚指輪はめて、頭のてっぺんから足先までこんなにセンスがよくて上質な物を身に着けていたら、そこそこの稼ぎの男じゃ気後れして声もかけられないだろうなって意味」
「ん?」
「見るからにブランドものじゃなく、見る人が見れば高級ってわかるラインを選んでるあたりがほんと腹黒い」
「んん?」
苦笑する悠希に首をかしげていると、「さっさと行こう」と私の腕を掴んだ。
「この辺会社のそばだから、知り合いに見つかりたくない」
勝手にやって来たくせにと思いつつ、彼にうながされ歩き出す。
「どこに行くの?」
「お前んち。腹減ったからなんか作って」
強引でマイペースな彼にあきれながら「いいけど」とうなずく。
「なるほど。いつ見ても自己主張の強い結婚指輪だよな」
「私にはもったいないくらい綺麗だよね」
緩やかな曲線に沿って小さなダイヤが埋め込まれたプラチナの結婚指輪は、一流ブランドのものだ。具体的な値段は教えてもらってないけれど、絶対高いと思う。
「指輪もだけど、お前の服や靴って全部兄貴が選んでるんだろ」
「うん」
「あいつ、ほんと策士だよな」
おもしろがるように笑われ、意味が分からず首をかしげた。
「どういう意味?」
「いくらお前が綺麗でも、高い結婚指輪はめて、頭のてっぺんから足先までこんなにセンスがよくて上質な物を身に着けていたら、そこそこの稼ぎの男じゃ気後れして声もかけられないだろうなって意味」
「ん?」
「見るからにブランドものじゃなく、見る人が見れば高級ってわかるラインを選んでるあたりがほんと腹黒い」
「んん?」
苦笑する悠希に首をかしげていると、「さっさと行こう」と私の腕を掴んだ。
「この辺会社のそばだから、知り合いに見つかりたくない」
勝手にやって来たくせにと思いつつ、彼にうながされ歩き出す。
「どこに行くの?」
「お前んち。腹減ったからなんか作って」
強引でマイペースな彼にあきれながら「いいけど」とうなずく。