両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「料理してくれる女の人なら、ほかにもたくさんいるでしょう?」
硬派でストイックな翔真さんと違い、悠希は欲望のままに生きる悪い男だ。友人以上恋人未満みたいな女性がたくさんいるらしい。
彼がお願いすれば、よろこんでご飯を作ってくれる女の人はすぐに見つかるだろう。
「まぁ、たしかにいるけど」
「そういう女の人、なん人くらいいるの?」
たずねると悠希は「知りたい?」と首をかしげて私を見下ろした。意地悪な表情が色っぽく見えて、少しだけどきっとする。
「そのうち刺されるよ」
顔をしかめた私を見て、「そんなバカじゃねぇよ」と笑った。
まったく。相変わらず自由人なんだから。
「なにか食べたいものあるの?」
「カレーがいい。市販のルーで作る普通のカレー。辛口だけどリンゴとはちみつが隠し味です、みたいなスタンダードなやつ」
そう言われ、「んー」と口ごもる。
「だめ?」
「だめじゃないけど……。昨日もカレーだったんだよね。実家から送られてきた野菜で作った無水カレー。二日連続でカレーだと翔真さんが飽きちゃいそう」
「大丈夫だろ。俺、カレーなら一週間続いても全然食える」
「翔真さんと悠希は違うから」
硬派でストイックな翔真さんと違い、悠希は欲望のままに生きる悪い男だ。友人以上恋人未満みたいな女性がたくさんいるらしい。
彼がお願いすれば、よろこんでご飯を作ってくれる女の人はすぐに見つかるだろう。
「まぁ、たしかにいるけど」
「そういう女の人、なん人くらいいるの?」
たずねると悠希は「知りたい?」と首をかしげて私を見下ろした。意地悪な表情が色っぽく見えて、少しだけどきっとする。
「そのうち刺されるよ」
顔をしかめた私を見て、「そんなバカじゃねぇよ」と笑った。
まったく。相変わらず自由人なんだから。
「なにか食べたいものあるの?」
「カレーがいい。市販のルーで作る普通のカレー。辛口だけどリンゴとはちみつが隠し味です、みたいなスタンダードなやつ」
そう言われ、「んー」と口ごもる。
「だめ?」
「だめじゃないけど……。昨日もカレーだったんだよね。実家から送られてきた野菜で作った無水カレー。二日連続でカレーだと翔真さんが飽きちゃいそう」
「大丈夫だろ。俺、カレーなら一週間続いても全然食える」
「翔真さんと悠希は違うから」