両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
 私の膝を開き長い指をゆっくりと動かす。体の奥が熱くとろけ、どんどんあふれていくのが自分でもわかった。
 どうしよう。恥ずかしいのにすごく気持ちいい。
「あ、あ……っ!」
「気持ちいい?」
 色っぽい声で問いかけられ、唇を噛みながら首を縦に振る。
 そんな私を見て、翔真さんが「かわいい」と笑った。
 翔真さんはこちらを見つめながら、私の内ももに口づけをした。その煽情的で色っぽい表情にごくりと息をのむ。
 彼の綺麗な唇が、ゆっくりと足の付け根に近づいていく。彼がなにをしようとしているのか気付いて、たまらず悲鳴を上げた。
「や、だめです……!」
「大丈夫。気持ちいいことしかしない」
「でも、でもっ!」
 頭の中はもうパニックだ。
 ここはリビングで、照明もつけっぱなしで、シャワーも浴びていなくて。そんな恥ずかしい状況で、翔真さんにこんなことをされてしまうなんて。
「絶対無理です……っ!」
 翔真さんは顔を上げ、半泣きになった私を見下ろす。黒髪をかきあげ軽く首をかしげた表情が、壮絶なほど色っぽい。
「――抱いてもらいたいって言っただろ?」
 艶のある声で問われ、それだけで体の奥が熱くなった。
 あぁぁぁぁ。もう。かっこよすぎて反則です……!
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