両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「彩菜が雑誌に載るというから、様子を見に来たんだ」
「わざわざですか?」
多忙な副社長が、そんなことのために時間を割いて?
驚く私を見下ろし「だめだった?」と軽く首をかしげる。その視線の色っぽさに、心臓が大きく跳ねた。
慌てて「いえ」とかぶりを振ったけれど、頬は燃えそうなほど熱くなっていた。
そのやりとりを見た園田さんは、不思議そうに目を瞬かせる。
「あの、おふたりは……?」
彼女の疑問に副社長はうなずいた。
「妻がお世話になっています」
私の背中に手を添え微笑む副社長を見て、園田さんと佐野さんが「ええっ!」と驚きの声を上げた。
そう。私、藤沢彩菜は吉永自動車の御曹司で副社長の吉永翔真さんと半年前に結婚し、吉永彩菜になった。
こんなに有能でかっこよくて素敵な人が私の夫だなんて、いまだに信じられない。まるで夢を見ている気分だ。
「旧姓でお仕事されているって言ってましたけど、まさか副社長の奥様だったなんて。びっくりしました!」
「……すみません、お話しするタイミングを逃してしまって」
私が謝ると、園田さんは「いえいえ」と首を横に振ってから身を乗り出した。
「ちなみにおふたりは職場恋愛だったんですか?」
「ええと」
興味津々の質問に戸惑う私のかわりに、翔真さんが答えてくれた。
「妻とは幼なじみなんです」
「わぁ! 幼なじみと結婚なんて素敵ですね!」
「わざわざですか?」
多忙な副社長が、そんなことのために時間を割いて?
驚く私を見下ろし「だめだった?」と軽く首をかしげる。その視線の色っぽさに、心臓が大きく跳ねた。
慌てて「いえ」とかぶりを振ったけれど、頬は燃えそうなほど熱くなっていた。
そのやりとりを見た園田さんは、不思議そうに目を瞬かせる。
「あの、おふたりは……?」
彼女の疑問に副社長はうなずいた。
「妻がお世話になっています」
私の背中に手を添え微笑む副社長を見て、園田さんと佐野さんが「ええっ!」と驚きの声を上げた。
そう。私、藤沢彩菜は吉永自動車の御曹司で副社長の吉永翔真さんと半年前に結婚し、吉永彩菜になった。
こんなに有能でかっこよくて素敵な人が私の夫だなんて、いまだに信じられない。まるで夢を見ている気分だ。
「旧姓でお仕事されているって言ってましたけど、まさか副社長の奥様だったなんて。びっくりしました!」
「……すみません、お話しするタイミングを逃してしまって」
私が謝ると、園田さんは「いえいえ」と首を横に振ってから身を乗り出した。
「ちなみにおふたりは職場恋愛だったんですか?」
「ええと」
興味津々の質問に戸惑う私のかわりに、翔真さんが答えてくれた。
「妻とは幼なじみなんです」
「わぁ! 幼なじみと結婚なんて素敵ですね!」