両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
父が髪を切らないのは、『伸ばしているほうが芸術家っぽくて素敵』と母に褒められたかららしい。
「ご無沙汰しております」
翔真さんが私の両親に向かって頭を下げる。
「翔真くん。忙しいのに来てくれてありがとう」
「お父さんったら吉永さんちでお食事会をするなら、彩菜も呼ぼうってうるさいのよ。本当に子離れ出来てないんだから」
そんな話をしていると、部屋の奥から一匹の猫が近づいてきた。
「あ、タビちゃん」
吉永家で飼われている愛猫のタビちゃんだ。
キジトラと言われる茶色い縞模様で、足先だけが靴下を履いているように白いのがとてもかわいい。
私がしゃがむと膝に頭をすりつけご挨拶をしてくれる。
「元気そうだな」
翔真さんも私の隣に座り、タビちゃんをなでる。タビちゃんはうれしそうに目を細め、ゴロゴロと喉を鳴らした。
ひと通りの挨拶をすませると、タビちゃんは満足したのか私たちに背を向け歩いていく。
リビングの壁に取り付けられたキャットウォークに登り、こてんと横になり居眠りを始めた。
その切り替えの早さがかわいくて、翔真さんと微笑み合った。
「子猫のときはこっちが疲れるくらい遊んで遊んでってねだったのに、すっかり素っ気なくなっちゃいましたね」
「まぁ、もう十二歳になるしね」
「ご無沙汰しております」
翔真さんが私の両親に向かって頭を下げる。
「翔真くん。忙しいのに来てくれてありがとう」
「お父さんったら吉永さんちでお食事会をするなら、彩菜も呼ぼうってうるさいのよ。本当に子離れ出来てないんだから」
そんな話をしていると、部屋の奥から一匹の猫が近づいてきた。
「あ、タビちゃん」
吉永家で飼われている愛猫のタビちゃんだ。
キジトラと言われる茶色い縞模様で、足先だけが靴下を履いているように白いのがとてもかわいい。
私がしゃがむと膝に頭をすりつけご挨拶をしてくれる。
「元気そうだな」
翔真さんも私の隣に座り、タビちゃんをなでる。タビちゃんはうれしそうに目を細め、ゴロゴロと喉を鳴らした。
ひと通りの挨拶をすませると、タビちゃんは満足したのか私たちに背を向け歩いていく。
リビングの壁に取り付けられたキャットウォークに登り、こてんと横になり居眠りを始めた。
その切り替えの早さがかわいくて、翔真さんと微笑み合った。
「子猫のときはこっちが疲れるくらい遊んで遊んでってねだったのに、すっかり素っ気なくなっちゃいましたね」
「まぁ、もう十二歳になるしね」