両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「おや、いい日本酒だな。翔真が酒を持ってくるなんてめずらしい」
渡された一升瓶を見ながらお義父様が頬を緩める。
「昨日悠希が買ったのに、手を付けずにうちに置いていったんですよ」
そう説明した翔真さんを驚いて振り返る。悠希から帰国していることを言わないでと口止めされていたのに。
慌てて彼の服のすそを掴み、「それ伝えちゃだめですよ」と小声で言ったけれど、すでに遅かった。
「あら。悠希が帰国してるの?」
「まったく。うちに連絡もしないで」
「悠希くんがいるならぜひ会いたいな」
「これから呼んだら来ないかしら」
翔真さんの言葉はしっかり四人の耳に届き、みんなうれしそうな笑顔を浮かべる。
両親たちは「今から悠希に連絡して呼び出しましょう」と盛り上がっていた。
悠希から、帰国していることは内緒にしてって言われていたのに……。
きっとあとから文句を言われるに違いない。
私がため息をついている間に両親たちは悠希に連絡し、今すぐ来るようにと言いつけていた。
小一時間後。悠希がやって来るとその場が一気に賑やかになった。
「なんで帰国しているのに連絡しないのよ。本当に薄情なんだから」
「またふらふら遊び歩いてるんだろ。悠希はいつまでたっても落ち着きがない」
渡された一升瓶を見ながらお義父様が頬を緩める。
「昨日悠希が買ったのに、手を付けずにうちに置いていったんですよ」
そう説明した翔真さんを驚いて振り返る。悠希から帰国していることを言わないでと口止めされていたのに。
慌てて彼の服のすそを掴み、「それ伝えちゃだめですよ」と小声で言ったけれど、すでに遅かった。
「あら。悠希が帰国してるの?」
「まったく。うちに連絡もしないで」
「悠希くんがいるならぜひ会いたいな」
「これから呼んだら来ないかしら」
翔真さんの言葉はしっかり四人の耳に届き、みんなうれしそうな笑顔を浮かべる。
両親たちは「今から悠希に連絡して呼び出しましょう」と盛り上がっていた。
悠希から、帰国していることは内緒にしてって言われていたのに……。
きっとあとから文句を言われるに違いない。
私がため息をついている間に両親たちは悠希に連絡し、今すぐ来るようにと言いつけていた。
小一時間後。悠希がやって来るとその場が一気に賑やかになった。
「なんで帰国しているのに連絡しないのよ。本当に薄情なんだから」
「またふらふら遊び歩いてるんだろ。悠希はいつまでたっても落ち着きがない」