願いをつないで、あの日の僕らに会いに行く
「おっ、チャイム鳴ったな。それじゃあ、日直、号令よろしく」
そうして、懐かしいチャイムの音とともに高校生活初日の一限目が終了した。
休み時間になると教室内にはまた少し緊張感が走って、クラスメイトはそれぞれ手探りで友達探しを始めた。
「六花~! もうっ、初日から居眠りとかなにやってんの!?」
と、別の意味で緊張して身構えていた私のもとに、高校生の智恵理がやってきた。
智恵理と私は同じ中学出身で仲が良かったから、高校でも同じクラスだと知ったときにはお互いに喜んだのだ。
「ち、智恵理がJKだ……」
制服姿の智恵理を見た私は、つい感動してつぶやいてしまった。
すると智恵理には、
「はぁ? なに言ってんの。六花も今日からJKでしょ!」
なんて、明るくツッコまれた。
「あ、はは……。そうだよね、ごめん」
「もう、しっかりしてよね~。朝、JK楽しもうねって話したばっかじゃん!」
会話の内容はともかくとして、休み時間に智恵理が私の席に来て声をかけてくれたところは一度目と同じだった。
私はドキドキしながら、このあと智恵理から切り出されるだろう話題を待った。