鏡と夜桜と前世の恋
政条家のご子息と公言した咲夜は、楼主に気に入られ快く中に通され、真っ直ぐ二階にある雪美の部屋に。
部屋に来た咲夜を見た雪美は驚きのあまり言葉を失い口をパクパクさせている様子…
「え、あ… さく… あまり見ないで… 」
「そんな格好も似合うんだな?」
花魁の姿をしている事が急に恥ずかしくなった雪美は頬を染め顔を赤くする… そんな雪美を見た咲夜は " 可愛いなあ " と、鼻で笑いながら意地悪を言う。
意地悪を言われてムスッとした雪美に対して咲夜は、愛おしそうに微笑み真っ直ぐ見つめ… そのまま押し倒す。
「さ、さ、さ、さ、さ、さく!駄目!こういうのは… 駄目!」
頬が更に赤くなる… 恥ずかしがる雪美の反応を嗜むように眺め楽しみながら、咲夜は、雪美の着物の帯をゆっくりと解き胸元を曝け出させた。
「駄目、ま、待って、待って… // 」
帯を解かれ、曝け出された胸元を隠しながら恥ずかしさのあまりバタバタ暴れる雪美。
「何を言っている。俺はしっかり金を支払ったぞ?… と言う事は、ゆきの事は好きにしていいと言う事だ 」
" 可愛いなあ "
ゆきに対する想いが、積もり募った愛情が、今まで以上に自分の中で溢れ出しているのを感じる…
意地悪っぽく笑う笑い方は昔と変わらないのに… いつもと違う咲夜の表情にドキドキする雪美は、気持ちが追いつかず思わず視線を逸らす。
どんな形でも構わない。
ゆきに (さくに) 触れられて
二人で、笑顔で側に居る事が出来るなら…
ーー ゆき、愛してる。
ーー さく、私も愛してる。
ずっとお前に (貴方に) 会いたかった。