鏡と夜桜と前世の恋


「俺が陽菜と結婚?あり得ない… 死んでも嫌だ。俺にはゆきがいる、俺が一緒になる相手はゆき以外考えられない!」



咲夜は蓮稀同様、陽菜との縁談を断った。

思い通りにならない蓮稀と咲夜の態度に対し、腹を立てたマツコは家系の権力を利用し適当な濡れ衣を着せて、鈴香を牢獄に監禁…







この時代の牢獄 (監獄) は、江戸時代から始まったと言われる罪人が逃亡しないよう身柄を拘束し刑罰を与えるいわゆる拷問部屋。


鈴香は愛する蓮稀、咲夜と雪美のことを守る為、マツコに決して一切逆らわず一人で全ての責任を被ろうとした。




ーー これでマツコは納得するはずもなく… マツコは次に、ある " 男 " を婿養子にする。








男の名前は『藤川 (ふじかわ)』


下の名前は今だに不明。最年長でプライドが高くいつも周りの人間を見下しながら " 自分はあの人より上 " " 自分が1番 " と誰に構わず張り合い癖がある。



頭の中は常に異性の体と性の関心ばかり…モテないが故に自分好みの淫らな官能小説を書き妄想するのが異端の趣味を持つ40代くらいの男。



藤川と政条家は古くからの知り合いだが地主であり最大権力を持つ息子、蓮稀と咲夜の事を心底嫌っていて


当時のマツコは、魚屋で働く藤川の " 蓮稀への底知れぬ憎悪 " に気付いていて…男の大好きな満月の夜「共にあの兄弟を陥れよう」と、声を掛けたのだった。



どうして藤川は蓮稀をそこまで恨んでいるのか。そこの理由は " 金銭問題絡み " としか細かい話しはまだ判明していません。



藤川は権力欲しさにマツコの家の婿養子に…


マツコと藤川は互いの欲と自分達の目的をそれぞれ晴らす為、仮面夫婦となりました。








" 藤川の話 "


みんなで出して来た前世の話しでは、藤川の今世の方は俺の知り合いのストーカー女だと話して来ました。



このストーカー女は、俺が彼女の恋心を受け入れない、私とは付き合ってくれないと憎悪にし心底憎まれ、逆恨みされています。



時に警察沙汰も起こされ、何度も被害に遭っていますがタチが悪く…証拠を残さず犯行に及ぶので逮捕が出来ずの状態。





前世の方は言えば死霊


霊体と器の波長さえ合えば、霊は生きた人間の体に乗り憑る事は容易く、可能…



藤川の名前が出ていた当時は、まだ藤川の今世の方が前世の話しに『関わってなかった』ので、" 復讐心 " ここで波長の合う俺の知り合いのストーカー女に乗り憑っていたと判明しました。



藤川の今世になる方が、前世の話しに関わり始め、藤川は本来の自分の今世の方の中に戻り、水面下で今世の俺に " 復讐 " する為



紗枝と言う架空の人物を作って自分の存在を塗り替え、油断させる為に蓮稀と " 親密 " だったと言う嘘の事実にすり替えられていました。

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