鏡と夜桜と前世の恋
陽菜は陽菜で父の話しを出され言い返せず…
「陽菜さん… 咲夜は貴女には渡しませんよ?」
目の前に広がる綺麗な景色を眺める雪美は体を震わせ怒りを隠しきれない陽菜の反応を見て思わずくすくす笑う。
真後ろに居た陽菜は、怒りのあまり雪美の体を突き飛ばし泉に突き落とした。
「咲夜さんは貴女なんかに渡さない… 咲夜さんは私のなの!私のものなの!見た時から私の物になるって決めたの!」
感情任せに大声をあげ、罵倒する陽菜を目の前に水浸しになった雪美は、ゆっくり立ち上がり泉から出て陽菜と向き合う。
「咲夜は私の物?咲夜はいつから " 物 " になったのかしら」
「物と変わりないわ、私の旦那さんは… ずっとずっと私の身体も心も満たして貰うんだから」
どこまでも自分自分 … 自分の欲だけ、陽菜の救いようの無い自分よがりの話しを聞いてくすくす笑う雪美。
「… 何笑ってるの、貴女見てると人を馬鹿にしてるみたいで虫唾が走るのよ!!」
「あら気付いたの。頭は良かったのね?」
陽菜は馬鹿にしたように笑う雪美の頬を感情任せに思いっきり平手打ち…
「言葉で勝てなくなったら今度は手?次は自分の権力でもないのに権力を使う?咲夜にもそうやって権力を振りまく。そんな貴女の方がよっぽど、私からしたら虫唾が走る… 」
雪美の言葉を遮り、林から現れたのは『陸 (りく)』陽菜の兄だった。