鏡と夜桜と前世の恋
「… // 」
「ふは、ゆきの顔赤くなって夕日みたいだ」
咲夜と目が合った瞬間、雪美は恥ずかしさのあまり咲夜の肩をバシバシ殴り、そのまま団子屋に入る。
「みたらし団子5皿!」
「ひと皿3本も乗ってるのに?またそんなに… 」
" すげえ食うよな… " と、言わんばかりの咲夜の驚く反応に雪美はふいっとする。
雪美の反応に咲夜は苦笑しつつ " ゆきの唇柔らかかった… " と、余韻に浸りながら出されたお団子を食べていた。
雪美は雪美でみたらし団子5皿ペロリと完食… 咲夜と一緒にお団子屋を後にした。
団子屋を出て歩いていると今度は " 鮎の塩焼き " と、書かれたのぼりを見つけて… 目を輝かせながら駆け寄る雪美。
「おじさん、鮎の塩焼きくださいな!」
「まだ食うのか?」
鮎の塩焼きを受け取った雪美は " 食べる? " と、嬉しそうに咲夜に突き出す。
「いや、ゆき食べな?食いたかったんだろ?」
嬉しそうな雪美に対して優しく微笑む咲夜に雪美は " そう? " と言い、鮎の塩焼きを美味そうに頬張る。
可愛いなあ。雪美はよく食う、それもすげえ幸せそうに… そんな所も可愛くて愛おしい。
「… 美味いか?」
「うん!!」
無邪気に笑う雪美の姿にドキドキしながらも咲夜は平然を装い、2人で彼岸花の泉へ向かった。