鏡と夜桜と前世の恋


あんな人がお嬢様?全然お嬢様っぽくない方だ… 鈴香との出会いはそんな感じ。



あのお嬢様らしくないお嬢様を俺は守って行かなきゃ行けない。大人しく言う事を聞いてくれるんだろうか。


ふと、今宵は紫に呼ばれて居た事を思い出し、そのまま紫のいる店 (遊郭) に向かった。







着いたのは今も跡地として実在する長崎の『丸山遊郭』この場所は俺、蓮稀にとって遊び場の1つ。


遊郭では決まりがあり『馴染み』の女は1名のみで変更不可(今で言うと指名) と、決まっているが蓮稀は例外。



俺が遊郭に足を運ぶと数多の遊女が寄り付く程 … 金と女には困らない、村1モテる男だったそう。




そんな色男が特に可愛がっているのは店でNo.1遊女『紫』だった。美人な顔立ちで綺麗な花柄の紫の着物が似合う女。



紫は俺が行くと他の客を後回しにし尻尾を振り出迎えてくれる。そのまま部屋に通され、遊事を終えた俺は鈴香お嬢様の婚約発表の宴の話しを彼女に話すと紫は快く引き受けてくれた。



" では当日、ドレスを用意してくださる? " なんて、言うので俺は急遽、紫に合うドレスを特別に仕立てて貰う事にし、当日に供えた。

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